森の囁き　

夕刻のみの釣りの為に、はるばる高速を乗りついでやってきた。
だからなのだろう今日はいつも以上に心高ぶる。

平成22年7月19日　快晴　夕刻

暑い時間帯を避け、夕闇迫る頃。
相棒のmassa氏と、いつもの渓にたたずんだ。

少し乾いた空気が、頬を撫でる。
川面にまで張出した木々を抜ける風はさすがに少し冷たい。
少し風が出てきたようだ。

massa氏 『私のホームですから今日は先行してくださいね。』っと。
優しい心使いに感謝して、ゆっくり流れに向かう。

すると流芯の向こう側。
ポツン！っと小さなライズ。
慌てて身をかがませて、流れを見守る。
するとまた小さなライズ。

きっとワンチャンスなんだろうな！
心の中で呟いた。

私は、一呼吸してゆっくりバックキャストをはじめ。
2度小さくフォルスキャストをした後にシュート。
私のフライは、流芯奥に突き刺さるように落下する。
チョット驚かせちゃったかな？
それでもフライはゆ～らゆらと１メートル。

良い感じなんじゃないかな？

するとフライが水面に吸い込まれた。
よし！っと小さくあわせると。
ゴルゴル？グルグル？っとした感覚でロッドに伝わる振動。

ゆっくり誘導して、ネットに収まる７寸程の朱点の綺麗な厳ついアマゴ。



サイズはもう一つなんだけれど。
私にとっては、満足な魚。

あ～～最高。
濃密な時間をありがとう。

後ろのmassaさんも微笑んでいた。
もうここでタイムアップかな？
いやいやもう少し。
その後、数匹を加えてこの日の釣りは、終わりにした。